●神宮花火大会
毎年、花火大会の頃に、誕生日が来る。
昨年はちょうどバースデーイヴが神宮花火大会だった。
神宮の花火は、ちょっと小ぶりだが、かなり近くで迫力を感じられるところが
とても好きだ。近所の八百屋やクリーニング屋の合間に座って鑑賞できる
ところもなかなかステキだ。
「花火なんて、毎年見れるし。今、忙しいし。もう誕生日って歳でもないし。」と思っていた頃の方が長かった。花火開催日がいつなのかさえ知らない年だって沢山あった。
今だってややもすると、「ちょっと体調悪いし、忙しいからまたにしておこうか」と思いそうだ。
日々の生活はそれほど味気なく、忙しげに過ぎていく。でもそんな時だからこそ、花火は絶対見たい。誕生日も、バースデーイヴも、大切にしたい。
毎年同じようで、毎年ちょっとずつ進歩している花火。明らかに去年とは違っているはずの私。あっという間に過ぎ去ったようで、いろいろあった1年。
1年をふりかえっていて胸をよぎるのは、あの人のことだ。
「今、花火見てるの。
ねぇ、1年間、いろいろささえてくれて本当にありがとう。」
バースデーイヴだからか、花火を見ながらだからか、わからないけれど、いつもは言えない
「ありがとう」を伝えずにはいられなくて、ケータイメールですかさず送る。
「なんにもしてないけど。こちらこそ、1年ありがとう。こんどは一緒に見よう。」
花火の音にかきけされながら受信したメールに、涙がうかぶ。
バースデーイヴに見た花火は、格別だった。花火の音、煙のにおいが、いろいろなことを思い出させる。1年が経ったことを知らず知らず思い返し、次の1年のことに想いを馳せる。
そんな花火の季節が、今年も近づいてきた。



